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こんにちは。
原裕輝です。


いつの間にか犠牲的な関係になってしまっていた!そんなことは、あなたにはありませんか?相手のことを思う優しい人に結構あったりします。相手のことを思ってあげることは良いことのはず!でもあることが抜けてしまうと犠牲的な関係になってしまいがちになります。このパターンから抜け出しましょう!


お楽しみに〜。

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今日のテーマ
犠牲のパターン〜嫌な気持ちを飲み込む優しい人のパターン〜

■目次



*カウンセリングサービスのHPに同内容をアップしましたが、こちらのブログでも読めるように転載します。

文:心理カウンセラー 原裕輝(はらひろき)

■犠牲の心理パターン


カウンセリングをしていると、犠牲の心理パターンを持たれる方とお会いすることがあります。
今回はストーリー形式で、犠牲の心理パターンのケースを説明しようかと思います。


これから書くストーリーは、犠牲をしてしまう心理パターンというのを紹介する為に書く創作のストーリーではありますが、カウンセリングでは実際に良くあるケースのお話です。


同じパターン、似たようなパターンを持たれている方の何かの参考や、ヒントになれば幸いです。


■依存される関係に悩む


Bさんという人がいたとします。


Bさんは困っている人に手を差し伸べたくなるタイプの方でした。
それはBさんの良いところです。


しかし、手を差し伸べた結果がネガティブな形にでた場合、過度に依存される関係になってしまうことも多々あり、その関係に疲れていました。
そして、そういう関係になっていくと、その人と距離を取り疎遠になっていくという問題も抱えていました。


困っている人に手を差し伸べるのは良いことのはず!


良いことをした結果、疲れてしまう関係になるという結末になるのはもったいないですね。
なぜ、その結末になっていきがちになるのかをカウンセリングで一緒に考えていきました。


すると、あることが見えてきました。


そのあることとは、Bさんの心理パターン(心の動きの傾向)が、過度に依存される関係になってしまうことや、犠牲的な関係になってしまうことにも関与しているところがあったのです。


その心理パターンとは、自分の否定的な気持ちを飲み込んで相手のことを優先しようする犠牲のパターンでした。


例えば、
友達のCさんから
「今からちょっと話せない?」
とLINEが入ったとします。


Bさんは
「22時までだったら大丈夫だよ」
と返事をしました。


Bさんは明日早くに起きなければいけない用事があった為、早く寝たいなぁという思いがあり、そんな返事をしました。


Cさんからは「OK」と返事が帰ってきたので、ZOOMを使ってのテレビ電話で話をすることにしました。


最初はたわいものない話から始まったのですが、しだいにCさんの愚痴の話に移行。
Cさんは機関銃のように愚痴を発します。


時計を見ると22時15分!
しかし、一向にCさんの愚痴は止まる気配はありません。


Bさんは
『22時までだったらって最初に言って約束していたのになぁ・・・。
約束をおざなりにされて嫌な気持ちだなぁ。
でもCさんも愚痴が溜まって辛そうだし、私さえ早く寝ないと明日が辛いというのを飲み込めばCさんも助かるからなぁ』
そう思いCさんの話を聞き続けるのでした。


Bさんは優しいが故に、相手が辛そうとか、困っているとか思うと、何とかしてあげたくなるのでした。


しかし、その時に、自分が感じている嫌な気持ちや、辛い気持ちや、困るというのを飲み込んで、相手に手を差し伸べようとするパターンがありました。
犠牲の心理パターンがあったのです。


また、今回のみならず、友人のCさんは相手の都合をおざなりにして自分のニーズ(欲求)や自分の都合を優先さそうとする傾向がありました。


それを毎々受け入れていたBさんがいたのです。


毎々受け入れるとどうなるのでしょう?


Bさんは毎々、自分が感じている嫌な気持ち、辛い気持ち、困るを飲み込む形になりますよね?


すると、それらは心にストレスとして蓄積していきます。
蓄積していき、そのストレスは無視できないものに成長していきます。


そうすると、毎々接する度にストレス(嫌な思い、辛い思い、困る思い)が増大する友人のCさんとの関係が嫌になり、距離をとりたくなっていきます。


これ以上、嫌な思いをしたくないという気持ちから距離を取りたくなるのです。


この友人Cさんとの関係のようなことをBさんは他の人間関係でもしていました。
犠牲をして、犠牲をする関係とは距離を取るというのがBさんのパターンでした。


犠牲は短い期間であればやり過ごせても、長期になるとやり過ごせなくなることが多いです。
その為、犠牲のパターンを変えていくことをBさんはテーマにしていくことにしました。


■成育過程に作られた心理パターン


なぜ、Bさんは自分が感じている嫌な気持ち、辛い、困るを飲み込んでまで、相手の為になろうとする心理パターンができたのかをカウンセリングを使って考えていくと、Bさんの成育過程の体験に起因することがわかりました。


子どもの頃のBさんのお父さんは、あまり働かない人でした。
またギャンブルなどでお金をたくさん使う人でもありました。


その為、お母さんはお金の面で苦労をしていました。


お父さんがたくさん使う分、お母さんがたくさん働かなければ家計は回らない為、お母さんは働きづめでいつも疲れていました。


そんなお母さんのことをBさんは子どもながらに『お母さん辛そうだなぁ・・・』という目で見ていました。


お母さんは、働かないお父さんに対して不満をたくさん持っていました。
その愚痴をお母さんは子どもの頃のBさんに言うのでした。


お父さんは、働かないという問題があるものの、子どもに対しては、優しく、可愛がってくれる、良いお父さんだったので、子どものBさんはお父さんのことが好きでした。


その為、好きなお父さんの愚痴を言われるのは、子どもの頃のBさんにとっては苦痛でした。


しかし、お母さんが苦労をして、辛い思いをしているのを子どもの頃のBさんは知っていたので、子どもの頃のBさんは『私さえ嫌な思いを飲み込めば、お母さんは少しでも辛い思いから解放される』と思い、愚痴を聞き続けていました。


これを何年も続けている内に、その心の動きが染みついていきました。


すると、お母さんでなくとも困っている人がいると、自分が感じている嫌な気持ち、辛い気持ち、困るを飲み込んで相手の為になろうと心が動きだすようになっていきました。
お母さんを思うBさんの優しい思いから作られた、心理パターンなのでした。


そのパターンを変えていく為に、Bさんと心理療法(セラピー)をしてくことにしました。


そしてセラピーの中で、ご自身に
「お母さんからのお父さんの愚痴を聞き続けて辛かったね。よく頑張ったね。
私の頑張りでお母さんはだいぶん救われたと思うよ。
でも、もう自分の嫌な思いを飲み込んで頑張らなくていいからね」
と、
自己承認の言葉と、嫌な思いを飲み込んで頑張ろうとする心の動きを解除する言葉がけをしていくことをしていきました。


そうやってセラピーを持ち入りながら、ご自身の心に嫌な思いを飲み込んで頑張ろうとしなくていいという思いを浸透させていきました。

■選択肢を持ってみてはいかがでしょう?


これは長年、お母さんの役に立つなら自分が嫌な思いをしているのを飲み込んで話を聞くことを選択し続けたBさんのストーリーでしたが、誰かとの関係でその誰かの役に立つならば自分が嫌な思いをしているのを飲み込んで何かをするというのを何度もしているうちに、この心の動きが染みついてしまうことがあります。


そして、染みついたパターンから、他の人間関係でも犠牲的な選択をしてしまうようになっていったというケースをカウンセリングで多々お聞きします。


あなたにも犠牲的な選択をしがちになってしまう傾向はありませんか?


誰かの為に何かをしようということはすてきなことです。


しかし、あまりにも自分の嫌な思いを飲み込んで誰かのために何かをしすぎている時は、ご自身に
「嫌な思いを飲み込みすぎなくていいんだよ」
というような言葉をご自身にかけてみてはいかがでしょう?


自分の嫌な思いを飲み込んで誰かの為に何かをしなくてもいいという選択肢も持っていてくださいね。


何かのヒントや、参考になることがあれば幸いです。
読んでくださってありがとうございました。